カルシウムが不足すると,副甲状腺ホルモンが命令を出し、骨からカルシウムを溶かし出します。
骨から溶け出たカルシウムが血管に入ると血管の壁の平滑筋を収縮させて血管を狭くします。このため血管内の圧力が高まって高血圧になるのです。
また、血管の弾力性が失われ、コレステロールを呼び込み、血小板が集まって血管の内皮が増殖して、血管の中が狭くなり血液が通りにくくなります。これが動脈硬化で、心筋梗塞や脳軟化症も、この動脈硬化が大きな原因です。
糖尿病に関わるインスリンは腎臓にあるランゲルハンス島のβ細胞によってつくられます。子供や若い人の糖尿病には、このインスリン分泌不足からくる非依存性糖尿病が多い傾向にあります。
しかし成人、ことに中年以降に多いのが依存性糖尿病で、インスリンの分泌機能があるにもかかわらず、必要なときにインスリンが出てこないのです。
β細胞が信号を受けてインスリンをつくる時、細胞外に送り出す時、カルシウムが決定的な役目を果たします。
したがって、カルシウムがβ細胞に入らなかったり、カルシウム不足により骨から溶け出たカルシウムが、β細胞内に多く入っていた場合は、この信号が伝わらず、インスリンをつくることができないのです。
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