副甲状腺にはカルシウム濃度を感知する、センサーのあることがわかっています。
カルシウムの摂取不足になると、このセンサーがはたらき、副甲状腺ホルモンが分泌されて、骨からカルシウムを溶かし出します。
海から誕生した生命が地上で生きていけるのも、カルシウム貯蔵庫の骨と、いつでもカルシウムを溶かし出してくれる、副甲状腺ホルモンのおかげなのです。
しかし、慢性カルシウム不足や病気によって、副甲状腺ホルモンが出過ぎると、骨から余分に溶かし出したカルシウムを細胞内に押し込んでしまいます。
そのため、細胞内外の1:1万のバランスが崩れて、細胞が正常にはたらくための絶対条件を破壊してしまいます。
このようにカルシウムが不足すると、逆に細胞内がカルシウムであふれる現象を「カルシウムパラドックス」といいます。この「カルシウムパラドックス」があらゆる成人病や老化の元凶となっています。
たとえば脳細胞にカルシウムが増えると、アルツハイマーや痴呆症へとつながります。カルシウムの摂取不足によって骨から溶け出るカルシウムが増え、細胞内にあふれることによって、その細胞はやがて死を迎えるのです。
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